人形は顔が命。 「既に失われたもの」
どこかの雛人形メーカーのキャッチコピーだったと思います。
全くその通りだとも思うのですが、わたしは、作り始める時にこういう顔にしたい。と明確には決めません。
写真は一体目ですが、この時も、なんとなく粘土を弄っているうちに、顔がだんだんと浮かび上がってくるのを待ちます。
そのために、頭部だけでも10いくつ作っては、初めから作り直しを繰り返すのですが…。
今の初音ミクちゃん?さん?も、あの明るい、しかしそもそも人間ではない故のエロチックさは、イメージとしてあって、表現したいテーマなのですが、具体的なモチーフはありません。
以前、公募展とか、知り合いとのグループ展とかに、出品させて頂いた時、(まだ一体しかないのに、太い神経だ。わたし。)わたしと似ていると、見ていただいたお客様から言われました。
自分では、全然分からないのですが…。少なくとも可愛いくはありませんし…。
ただそこに、意識しているのは、ある種の郷愁?といったものが表現できればと思っています。そのイメージが見てくださった方と、共有できた時の表現が、似ている…。となった気がします。
結局、手も握れなかった初恋の彼女 とか…^_^。
山崎まさよしさんの「one more time, one more chance」とか、BUMP OF CHICKENさんの「天体観測」とか。“郷愁”としか言えない感情。男性の方の歌のテーマに多いような気がします。ファンは女性が多いのでしょうが…。
既に彼女は失われている、そのことの実感というんでしょうか?実際には、彼女はこの世の中どこかで多分生きている。でも、あの日あの時の彼女は、今は何処にもいないという喪失感。
そんな失われたイメージを、人形として存在させたい。と思って作りました。
実は、この土曜日、せっかくのお休みなのに、あまりに暑すぎて、目立って作業が進んでいません。そろそろネタも尽き、昔の人形を引っ張りだしてしまいました。(^_^;)
あと、ウチにはクーラーがありません。冷房が苦手ということなのですが、夏の盛りは、水を張ったタライに足をつけ、小さな扇風機で乗り切って来ました。今年はどうでしょうね?
今日も、来てくださって、ありがとうございます。