人形はカラダも命。お人形が苦手な方はご注意ください。
coconoo-kyuutai-doll.hatenablog.jp
背中を制作中です。前回からかなり変わったのですが、写真だとわかりませんね^_^。
下にある本は、わたしが人形を作るとき、手離せない2冊の本です。
どちらも解剖学(アナトミー)の有名な解説書です。
「骨がこうなって、筋肉がこういう風に交差しているから、こんな形で盛り上がってるのか?」とか、「手足の甲って 、別々の骨の集合体なんだ。」とか、まず頭に入れて作ります。(そのまま上手くはいきませんが…。)
人形作家に、井桁裕子さんという方がいらっしゃいます。
彼女は若い頃、精神的に病んで摂食障害を患います。
その時彼女は、自身のセルフポートレート人形、つまり自分自身を作ります。
自分の存在そのもの、自分の体が好きではない自己否定の中で、醜いそのままを形にしようと、人体解剖図を見ながら作ったそうです。
そのうちに、その人体が自然物の美しさが欠けることもなく、(もし欠けていたとしても…。)自分にもある精妙さに気づき、「私は醜い。」その気持ちを自らが否定し、自分自身を肯定出来たそうです。
今は作家活動を続けられており、義足なども作られているようです
私は人形を、できれば可愛いものにとか、昔会った今は失われているだろう、少女の美しさを再現したいとか、そんな“欲”を捨てきれずにいますが、彼女の気持ちの欠片はわかる気がします。
わたしの大好きな、谷川俊太郎さんの詩「芝生」
そして私はいつか
どこかから来て
不意にこの芝生の上に立っていた
なすべきことはすべて
私の細胞が記憶していた
だから私は人間の形をし
幸せについて語りさえしたのだ
出典: 夜中に台所でぼくはきみに話しかけたかった
今日も、来てくださって、読んでくださって、ありがとうございます。