耳をすませば。台風の夜。静かな夜。

里山の人形師　coconooです。こんにちは。

16日は台風7号が、関東地方を掠めて行きました。

こちらも夜中まで、ゴウゴウと風が吹き、大粒の雨がときに強く、間隔をあけて降っていました。

実は、わたしは台風好きです。

だんだんこちらに迫ってくる感じが、身体的にも反応して、わくわくどきどきする。

（被害にあわれた方もいらっしゃるのに、不作法申し訳ありませんが…）

夜には風と雨が、強くなったり弱くなったり、周りの森の木々がざわざわと音を立て、耳を澄ますと、潮騒のように聞こえる。

それが四方からわたしに迫ってきて、なんだか海の真ん中にひとり浮いて、じっとしているような気分。そんなときは、知らない間に眠っています。

台風が過ぎて、空気が澄んだ夜も大好きです。

自分の呼吸のリズムを感じながら、寝床でひとり耳を澄ますと、庭の金魚がチャプンと一度だけ跳ねる音。

近くの荒地を、狸だかハクビシンだか、少し大きな獣が移動している。

終電を終えた電車が、操車場にゆっくり戻ってゆく。

こんな夜中に、遠くのポストに手紙が投函される。

少し離れた、国道の信号機が音もなく、色を変える。

そんな風に、わたしの耳が遠くへ遠くへ小さな旅をしてゆくと、わたしは深い夜の真ん中でじっとしている自分を感じて、なんだか落ち着いて眠れそうな気になっていきます。

写真は、せっかく洗ったのに、雨にぬれてしまった軍手です。

（わたしは、何度も何度も洗って、床干しして、指が抜けるまで使います。布地がくにゃくにゃになって、使いやすい。）

今日も、来ていただいて、ありがとうございます。