coconoo doll

素敵な大人になりたいものだ。 coconoo doll は、球体関節人形の制作日記です。あと、ガーデニング DIY エンタメも少し。

世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド。「量子力学からの読書」

里山の人形師  coconooです。

こんにちは。

f:id:coconoo:20161227130218j:plain

 

わたしは、翻訳の一部を除いて、すべて小説を読んでいるので、春樹ストかもしれません。

村上春樹の長編小説の中でも、少し毛色が違う「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」。

何回か?読み直しましたが、好きなんですよね。

  

世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド 全2巻 完結セット (新潮文庫)

世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド 全2巻 完結セット (新潮文庫)

 

  

個人の「死」は、「世界の終わり」。

その当たり前が、見事に描き出されている。

 

わたし個人の死は、同時にわたしの持つ、世界の死を意味している。

わたしがいなくなっても、世界はわたしが一人がいない外部世界として、あり続けるのではなく、完全に無くなるのだ。という事実を書いている。

わたしが世界と感じるもの、他人に感じること、美しいも哀しいも、美味しいも悪意だと感じることも、わたしという主体がなくなった時に、無くなる。

世界の観察者であるわたしが一人いなくなって、その価値観・世界観が失われ、世界はそのまま存続するのではなく、観察されていた世界自体が無くなると言うこと。

 

量子力学の確率解釈、有名なところでは「シュレーディンガーの猫」ですか?

観察されることによって、世界はその振る舞いを決めている…。

 

こちらは、sobokuさん(id:soboku-kobe)の、

量子力学から見た世界とは?のテレビ番組を

とても丁寧にまとめられた記事です。

blog.soboku.jp

 

世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド

「客観と思われていた世界」と「自己の内部世界」の構造が、

遠く離れた別々に存在するものから、二重に同時存在するものとして、

この小説はその近接を試みていると、読みました。

(←わたしだけ?)

はじめは生と死の物語と読んだんですが、どうも結末がしっくりこなくて…。

 

ハードボイルド…の方の主人公は、時間を極限まで切り刻まれて、伸ばされ、死ぬことのない死を迎える。

これは現実にあり得ることで、ブラックホールに呑み込まれる状況と一緒。

当人からすれば数分のことが、地球の観察者から見れば数世紀同じ場所にいる。

かたや、世界の終わりの主人公は…。

 

 

そんな難しい話ではなくても

そもそも人間の感覚には、限界がある。

もし、嗅覚だけでも、犬並みになったら、

過去を現在と同質なものとして、見えてくるんだろうと思います。

その世界はどんな風に映るのだろう?

 

www.coconoodollblog.net

また、私たちは3次元の世界に生きているけれど、

もしかしたら、人間が感覚できない世界から見れば、

この地球に別の人類が、 一緒に暮らしているように見えるのかもしれない。

 

想像することは、タダで楽しい。

 

若い頃のコミュニケーション論? 

www.coconoodollblog.net

 

 

 

今日も、来てくださって、ありがとうございます。