coconoo doll

素敵な大人になりたいものだ。 coconoo doll は、球体関節人形の制作日記です。あと、ガーデニング DIY エンタメも少し。

村上春樹「騎士団長殺し」と川端康成「山の音」。

里山暮らしの人形師 coconooです。

こんにちは。

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ようやく、村上春樹作「騎士団長殺し」2部を読み終えました。

ネタバレは少な目なのですが

これからお読みになる方は、

そっ閉じしてください。

 

「グレート ギャッビー」の構造を

意識的に下敷きにして

物語は進んでゆきます。

 

今回の主人公と

色を免れたという名前の、免色さん。

この二人の合体が

今の村上春樹、その人自身にとても近いように感じます。

今までの主人公「僕」以上に…。

 

一種の私小説として読むと

非常にわかりやすいように思えました。

 

その時、頭に浮かんだのが

川端康成の「山の音」。

 

山の音 (新潮文庫)

山の音 (新潮文庫)

 

 

老境に差し掛かった主人公が

ある夜、「山の音」を聞くことで

自分の過去や現在、そしてもうすぐ迎えるだろう死を

まざまざと感じてゆく。

 

海外では日本の戦後小説の、最高傑作ともいわれる

作品ですが

主人公の老境とはほど遠い生臭さ、それでいて幻想的な物語を

善悪や美醜を越えて、美しい日本語でつづられた小説です。

 

www.coconoodollblog.net

 

内容や構成的にも共通点が多く

村上春樹は、自身の今を語ろうとしているんだと

勝手な解釈ですが、感じました。

 

早く第三部が読みたいです。

たぶん5年とか10年後とか、時間をおいて語られると思います。

←まだ、あるんですよね、続き…?不安だ…。

 

 

今日も、来てくださって、ありがとうございます。